(財)名古屋港水族館が入手を予定しているシャチの購入費用を名古屋港管理組合(特別地方公共団体)が支出するのは、動物愛護法等に違反し、公序良俗に反して違法である等として地方自治法242条の2第1項1号に基づき支出差止めを求めた住民訴訟 (平成15・3・7名古屋地裁)平14(行ウ)54 費用支出差止事件

[動物園や水族館において野生動物を収容・飼育することが人類と動物の共生のあり方の一つとして是認されることからすれば,シャチの入手が動物虐待を目的とした違法不当なものであるとはいえない等として原告らの請求を棄却した事案]

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           主         文

1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。


           事実及び理由
第1 請求
 被告は,平成10年5月18日に財団法人名古屋港水族館との間で締結した協定に基づき,同水族館が購入するシャチの購入費用を支出してはならない。

第2 事案の概要
 本件は,愛知県の住民である原告らが,特別地方公共団体である名古屋港管理組合(以下「本件組合」という。)が,名古屋港水族館(以下「本件水族館」という。)の管理について委託を受けた財団法人名古屋港水族館(以下「本件財団」という。)との間で締結した協定(以下「本件協定」という。)に基づき,本件財団が入手を予定しているシャチの購入費用等を同財団に対して支出(以下「本件支出」という。)するのは違法であると主張して,地方自治法(以下「法」という。)242条の2第1項1号に基づき,本件支出に関する支出命令権者である被告に対し,その差止めを求めた住民訴訟である。

1 前提事実(争いのない事実及び証拠によって容易に認定できる事実等)

(1) 当事者等
ア 原告らは,いずれも愛知県の住民である。

イ 本件組合は,名古屋港の開発発展と利用の促進を図り,管理運営を確立し,もって国際的重要港湾となすことを目的として設置された一部事務組合(特別地方公共団体の一つ)であり,愛知県及び名古屋市によって組織されている(法284条,名古屋港管理組合規約1条ないし3条。甲17,18)。
 被告は,本件組合の管理者として,本件支出についての支出命令を発する権限を有する者である。

ウ 本件組合は,水族に関する知識を広め,水族への親しみを深めることにより,住民の自然環境に対する意識の高揚を図るとともに健全な余暇の活用に資することを目的として,本件水族館を設置することを内容とする名古屋港水族館条例(平成4年名古屋港管理組合条例第6号,以下「本件条例」という。)を定めている(1条)。

 本件財団は,本件条例に基づいて設置された本件水族館を主体として,名古屋港に関する観光事業及びレクリエーション事業の振興を図り,併せて社会教育及び文化事業の普及に努め,もって地域の活性化及び地域住民の福祉の増進に寄与することを目的として設立された財団法人であり,同条例9条に基づき,同水族館の管理の委託を受けている(甲20,乙5)。なお,上記委託に関して,本件組合は,毎年,本件財団との間で,名古屋港水族館管理委託等に関する契約を締結している(平成14年度につき乙3)。

(2) 本件水族館の第2期事業計画(甲3,21,乙4,8)
 本件財団は,平成4年の本件水族館開館当初からウミガメやペンギン等の保護及び繁殖研究の活動を行ってきたが,更にその活動に広がりを持たせるため,第2期事業計画を策定した。本件財団は,その第2期事業計画における飼育生物の選定について,平成5年度から調査を開始し,平成6年度の基本計画において,「現水族館の飼育生物を補完し,新施設の基本方針である飼育下でなくてはできない大型海洋哺乳動物の研究を具体化できるもの。環境の悪化などで個体数が減少していたり繁殖生態なども未知で,それらを解明することでその種の保存・回復に国際的に寄与できるもの。広く大洋を回遊し地球規模で行動するもので雄大で存在感があり,かつ知能が高く,よりよい飼育環境の創造によってその個性と魅力を充分に訴えていけるもの。」を基準として,バンドウイルカ,ベルーガ,シャチ等が選定された。併せて飼育施設として,動物の種類ごとに展示用,繁殖用,治療用にそれぞれプールが分けられ,また水量1万3400トン,長さ60メートル,幅30メートル,水深12メートルのプールが本件水族館北館に整備された。

(3) 本件協定の締結
 本件組合は,平成10年5月18日,本件財団との間で,本件水族館において新たに展示を必要とする水族(ただし,本件条例9条1項に基づき両者が締結した名古屋港水族館管理委託等に関する契約書に基づいて入手する水族は除く。)の入手等について,以下の内容の本件協定を締結した(乙1。同協定においては,本件組合を「甲」,本件財団を「乙」と称する。)。
(水族の入手等)
第1条 乙は,名古屋港水族館の設置趣旨に従い水族を入手し,飼育保管し,保護保存及び繁殖研究に努め,展示に供するものとする。

(費用の負担)
第2条 前条に係る費用は,乙の請求に基づき,甲が,毎年度予算で定めるところにより,負担するものとする。

(責任)
第3条 天災その他の乙の責めに帰することができない理由により,水族が損傷又は死亡した場合,乙は,その責めを負わないものとする。

(報告)
第4条 乙は,この協定に必要な限度において,第1条の遂行の状況に関し,甲に報告するものとする。

(処分の制限)
第5条 乙は,入手した水族を,甲の承認を受けないで,この協定に反して使用し,譲渡し,交換し,貸し付け,又は担保に供してはならない。

(疑義の決定)
第6条 この協定に定めのない事項又はこの協定の履行に疑義を生じた場合は,その都度,甲,乙協議して定めるものとする。

(4) シャチの入手に関する計画等(甲3,13,19,27,乙2,弁論の全趣旨)

 本件財団は,前記の第2期事業計画に沿って,バンドウイルカ(16頭)とベルーガ(6頭)を入手し,これらは既に本件水族館において飼育展示されているが,シャチについては入手するに至っていない。シャチの入手方法については,他の水族館が学術研究用として飼育繁殖中のものにつき,ブリーディングローン(繁殖を目的とした貸出し)ないし譲受けによる方法と,業者に委託し自然界から捕獲する方法がそれぞれ検討され,特に和歌山県太地町立「くじらの博物館」とは,同所で飼育中の成体雌につき,将来の繁殖を考慮した借受けに関する基本的な了解が成立している。

 また,本件財団は,上記の借受けによる方法と並行して,業者との間でシャチの入手に関する基本協定(以下「基本協定」という。)を締結し(平成14年度につき乙2),ロシア極東海域におけるシャチの捕獲を委託し,入手する方法を試みており,そのための費用として,平成13年度は1億7000万円,平成14年度は3億5000万円を予算計上したが,いずれの年度も捕獲に失敗している。なお,本件組合は,本件財団の平成14年度予算に対応して,同財団に対する負担金として3億5000万円(内訳は,捕獲調査費用1800万円,捕獲・蓄養費用3億1200万円,輸送費用等2000万円)を予算計上しているところ,本件財団が,基本協定に基づき,業者に対して実施計画調査に係る費用として1800万円を負担したことから,本件組合は,本件協定2条に基づき,本件財団に対して同金額を支出した。

(5) 住民監査請求
 原告らは,平成14年7月23日,名古屋港管理組合監査委員に対し,被告その他の財務関係職員が本件支出をすることの差止めを求めて住民監査請求をした(甲1)が,同監査委員は,同年9月18日,同請求を棄却するとの決定をし(甲3),原告らにその旨通知した。

2 本件の争点及び当事者の主張の要旨

本件支出の違法性の有無
(原告らの主張)
(1) 主位的主張
ア 本件財団が業者との間で締結した基本協定ないしこれに基づくシャチの購入契約は,以下の理由により,公序良俗に反して無効であり,本件協定の対象となるべき本件財団の負担する債務は存在しないから,被告が本件協定に基づいて本件支出をすることは違法である。
 なお,本件組合と本件財団は別人格ではあるが,水族館を共同して事業する関係であって,名古屋港水族館の運営に関しては一体といい得る関係にある。
 (ア) 動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動物愛護法」という。)違反(動物虐待)
 
 シャチは,成長すると6ないし8メートルにもなり,1日に30ないし100キロメートル単位の行動をし,その生活も雌を中心とした血縁による5ないし25頭の群れを作り,その一生を母親のいる群れで過ごすという極めて社会性の強い動物である。シャチは,このような群れの生活形態の中で,言語,餌生物,捕食活動等の文化を母親から学び,受け継ぐのであって,その生活方法は,生まれつき備わっているわけではない。このようなシャチの生態からすると,水族館の狭小なプール(長さ60メートル,幅30メートル,深さ12メートル)での飼育はもちろんのこと,更に狭い水槽での飼育(シャチは,日常的には水槽に入れられて飼育され,観客に見せるときだけプールに入れられるものと予想される。)は,シャチ本来の行動,社会性を奪い,本来学習すべき群れの文化を学ぶ機会を奪うことになる。また,野生のシャチの寿命が,平均して雌が60年,雄が30ないし40年といわれているのに対し,これまで世界中で飼育されていたシャチのそれは平均して5ないし10年と極端に短く,昭和40年からこれまで飼育されてきたシャチの4分の3は既に死亡しているし,死亡に至っていないシャチについても,その背びれが曲がってしまうことが確認されている。
 
 さらに,本件財団は,シャチの購入先としてロシアを考えているようであるが,同国では,過去にシャチを水族館等への展示目的で捕獲した事例がないため,経験不足,技術の未熟さから,シャチの捕獲の際にシャチを殺傷してしまう可能性が高い。

 このように,シャチを捕獲し,生涯にわたって狭小なプールや水槽で飼育することは,動物愛護の精神に反し,動物の生命尊重に反する行為であり,また,動物を苦しめる行為であるから,動物虐待そのものであり,動物愛護法に違反するものである。

(イ) 生物の多様性に関する条約(以下「生物多様性条約」という。)違反

 本件財団は,前記のとおり,シャチの購入先としてロシアを考えているようであるが,ロシア極東海域では,シャチの生息頭数や家族構成等について十分な調査研究がなされていないため,そこでの捕獲は当該地域に生息するシャチを絶滅させるおそれがある。したがって,ロシア極東海域におけるシャチの捕獲行為は,同海域の生物の多様性に重大な影響を与える行為であって,生物の多様性が重要な価値を有し,各国がその保全の責任を有することをうたった生物多様性条約の前文及び生息域内の保全について定めた同条約8条に違反する。

(ウ) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(以下「ワシントン条約」という。)違反

 シャチは,ワシントン条約の付属書Ⅱ(現在必ずしも絶滅のおそれはないが,その取引を規制しなければ絶滅のおそれのある種となり得る野生動植物が掲記されている。)に挙げられている希少種であり,世界的に捕獲が禁止,規制され,保護されている動物であって,我が国でも,現在は捕獲が禁止されている。ワシントン条約加盟国は,輸出する側も輸入する側も同条約を遵守することは当然であって,輸出国側が非加盟国であったとしても,輸入国側は,輸出国側が加盟国であるのと同様の生物に対する配慮が求められ,たまたま,ロシアがシャチの捕獲を認めていることを奇貨として,本件財団及び本件組合がロシアからシャチを購入しようとすることは,同条約の趣旨に反する脱法行為であり,同条約前文,2条4項,4条1項ないし7項,6条2項に違反するものである。
 
 被告は,所定の手続に従ってロシアからシャチを入手する計画を立てている旨主張するが,ロシアはワシントン条約加盟国として,シャチがその属する生態系における役割を果たすことのできる個体数を水準よりも高く維持しなければならない義務があり,これが維持できる場合にのみ輸出許可証を発行できると解されるところ,ロシア極東海域におけるシャチの調査は未だ完了しておらず,その個体数も調査未了であり,生態系における役割を果たす水準が判明していないのであるから,ロシアから輸出許可証が発行されたのであれば,それは違法である可能性が高い。

(エ) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(以下「種の保存法」という。)違反

 シャチは,現在希少動物であり,間もなく絶滅のおそれのある野生動物に指定される可能性が大きいといわれているところ,本件水族館のために4ないし6頭のシャチを生け捕りにするには,それ以上の頭数のシャチを捕獲しなければならず,結局ロシア極東海域のシャチが乱獲されて絶滅するおそれがある。

 水族館は,教育施設としての役割が求められており,また人間至上主義が今日の環境破壊を生んだ原因であることを認識するのであれば,「野生動植物が,生態系の重要な構成要素であるだけでなく,自然環境の重要な一部として人類の豊かな生活に欠かすことのできないものであることにかんがみ,絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより良好な自然環境を保全」(種の保存法1条)することこそが,文化的生活を営む現代人に課せられた使命であると考えるべきである。本件財団及び本件組合は,上記事実を認識しながら,シャチを購入しようとしているが,かかる行為は種の保存法に違反するとともに,環境教育の観点を欠くものである。

(オ) 契約目的等の違法性

 本件財団のシャチの入手目的は,同財団の事業目的である観光事業の一環としての飼育展示であり,専ら観客集めの展示物とする見世物目的であることは明白であるところ,このような目的でシャチを入手することは違法である。

 被告は,本件財団のシャチの入手目的が,展示のみならず,飼育保管,保護保存及び繁殖研究のためであると主張するが,前記のような狭小なプールでは,シャチ特有の群れの文化を観察・研究することができず,また水族館での繁殖行為は個体が群れの文化を獲得することのない種の進化を否定するような繁殖行為であるから,前記の繁殖研究の目的を達成することは不可能である。

 また,本件財団は,シャチをロシアマフィアとつながりのある者から購入しようとしているが,これも社会的に許されない行為である。

イ 本件財団がシャチを購入するため業者との間で締結した基本協定は,シャチを入手することができない場合でも一定額の代金を支払う内容になっている(現に平成13年度は8830万5000円が,平成14年度は1800万円がそれぞれ業者に支払われている。)が,シャチが入手できないにもかかわらず,本件組合が本件協定に基づきその代金の一部を支払うことは,管理者の裁量権を超えるものであって,法2条14項に明白に反しているから違法である。そもそも本件財団は,ロシアからシャチを購入しようとしているが,ロシアでシャチを生け捕ることができる可能性は極めて小さく,基本協定は契約目的を達成することが極めて困難な契約である。

 また,本件組合は,財政赤字が問題となっている愛知県及び名古屋市から財政負担を受けているにもかかわらず,シャチの購入費用として3億5000万円の予算を計上しているところ,本件財団は1頭につき約1億5000万円での取得を予定しているが,この購入額は,過去の購入例(平成9年に和歌山県太地町で捕獲された10頭のシャチのうち,5頭について各地の水族館が購入した価格は,2000万円ないし3000万円である。)と比較しても過大であるから,本件支出は,法2条14項に反し違法である。

(2) 予備的主張
 本件協定自体も,前記(1)ア掲記の理由により違法無効であるから,本件協定に基づく本件支出は違法である。


(被告の主張)
(1) 主位的主張について
ア 本件財団によるシャチの入手行為は,以下に述べるとおり,原告ら主張に係る条約及び法律に反するものではなく,それらの違反を前提として,基本協定ないしこれを前提とする購入契約が公序良俗に違反して無効であるとする原告らの主張は失当である。

(ア) 動物愛護法違反(動物虐待)について

 原告らの主張のうち,本件水族館北館に設置されたプールが,長さ60メートル,幅30メートル,深さ12メートルの規模であること,本件財団が,シャチの入手先としてロシア極東海域を考えていたことは認め,その余は争う。

 国内法においては,水槽の大きさを具体的に規定するものは存しないが,水族館の飼育施設は,その建設に当たり,米国の動物福祉法の定める基準を目安として設置されることになっているところ,本件水族館の水槽は,その基準値をすべて満たしているから,原告らの主張には理由がない。また,原告らは,飼育下で生育中のシャチについては,背びれが曲がってしまう旨主張するが,背びれの曲がりは野生下のシャチにおいても確認されている。さらに,飼育下プールでの繁殖については,すでに国内外の水族館で出産事例が報告されており,国内では,成長に伴う授乳・離乳が完了し,5年以上生存飼育した事例があり,海外では第2世代による繁殖事例もある。

(イ) 生物多様性条約違反について

 ロシア極東海域でのシャチの捕獲が生物多様性条約に違反するとの原告らの主張は争う。なお,ロシアも同条約に加盟している。
 生物多様性条約は,条約締約国に「生物の多様性の保全及び持続可能な利用を目的とする国家的な戦略若しくは計画を作成」することを求めており(6条),これを受けて,我が国は「生物多様性国家戦略(平成7年10月策定,平成14年3月見直し)」を作成しているが,その中では,動物園及び水族館の果たす役割が期待されている。例えば,同戦略第4部第2章第1節4「飼育栽培下における種の保存」において,「飼育栽培下における種の保存を実施するうえで,動植物園,水族館等の役割は大きく,特に(社)日本動物園水族館協会では,動物園,水族館において種の絶滅の防止に積極的に貢献していくため,同協会の下に種の保存委員会等の組織を設けて,関係園間で近交弱勢(近親交配による遺伝的劣化)を防ぐための血統登録や飼育動物の移動・管理を行いつつ,飼育繁殖にかかる大きな成果をあげています」,「飼育栽培下における種の保存は,野生下での取組との連携を確保しつつ,全体として効果的な種の保存対策が講じられるよう,国,地方公共団体,動物園,水族館,植物園,試験研究機関,研究者等の連携・協力の下に事業を進めます」と記されている。そして,本件水族館は,上記協会に属しており,ウミガメやペンギン等の繁殖管理につき,前記のような成果を上げてきた。また,同戦略第4部第3章第2節「教育・学習,普及啓発及び人材育成」の「社会教育」の項においては,動物園,水族館等の博物館について,「今後とも,人々の多様な学習活動を支援するための機能を更に充実し,知的好奇心・探究心を刺激することができるような場として,博物館活動の充実を図」るとされている。

 このように本件水族館は,多様性条約及び生物多様性国家戦略が期待する活動を行っているものであり,同条約には何ら違反していない。

(ウ) ワシントン条約違反について
 シャチがワシントン条約の付属書Ⅱに記載されていることは認めるが,付属書Ⅱに記載された動植物については,輸出国政府の輸出許可証等が必要であるものの,商業目的での取引は可能とされており,国外で捕獲したシャチを輸入することは,同条約及び国内法のいずれによっても禁止されていない。本件組合及び本件財団は,ワシントン条約を尊重してこれを遵守しており,同条約に定める手続に従ってシャチを入手することを計画したものであり,同条約には何ら違反していない。なお,ロシアは,ワシントン条約の加盟国である。

(エ) 種の保存法違反について
 シャチは,種の保存法の規制対象である「希少野生動植物種」,「国内希少野生動植物種」,「国際希少野生動植物種」「特定国内希少野生動植物種」のいずれにも該当しないから,シャチの捕獲が同法に違反しているとの原告らの主張は理由がない。

(オ) 契約目的等の不当性について
 本件財団のシャチの入手目的が専ら見世物目的であるとの点は争う。本件財団のシャチの入手目的は,飼育保管し,保護保存及び繁殖研究に努め,展示に供することにある。シャチを水族館で飼育することについては,シャチという野生動物の生命を展示することを通してシャチという種の存在を知らしめ,これにじかに接することによって,人間と自然との関わり方に対する示唆を提供し得る教育的効果こそが重要であり,本件水族館では,常に生物に適した生息環境の中で飼育し,併せて,種の保存・保護,飼育繁殖等の研究を行っており,教育的見地に立って,社会教育施設の一環としての機能を果たしている。

イ 原告らは,シャチを入手できないにもかかわらず,本件組合が購入代金を支払うことは法2条14項に違反すると主張するが,購入契約はシャチの入手を確認した後に締結するものであって(乙2の5条),シャチを入手できないにもかかわらず,本件組合が購入費用を負担することは予定していない。したがって,原告らの主張はその前提自体が誤解に基づくものであって失当である。

 また,原告らは,和歌山県太地町での取引事例を基に,本件支出が過大である旨主張するが,原告らが指摘する購入価格の真偽のほどや価格の明細等は不明であり,根拠として十分でない。他方で,フランスから日本の水族館が購入した事例において,1頭2億円であったとの報道もされている。入手に要する費用は,捕獲に関する費用や蓄養費,海外からの輸送費等を基礎として決定されるものであり,現在におけるシャチの取引の可能性等にかんがみれば,決して過大なものではない。なお,今後,本件組合がシャチの購入費用(調査費を含む。)として本件財団に支払う金額は,一切未定である。

 なお,シャチの取得に要する費用として平成14年度予算に計上している3億5000万円は,すべて名古屋港水族館の運営による益金を積み立てた資金を財源としており,愛知県及び名古屋市からの資金は充当していない。

(2) 予備的主張について
 本件協定自体が公序良俗に反して無効であるとの主張は争う。また,本件組合の平成14年度予算3億5000万円は,本件財団に対する負担金として計上されたものであるが,議会による承認を受けた適法なものであるから,これに基づく支出も適法である。

第3 当裁判所の判断
1 主位的主張について
(1) まず,原告らは,本件支出の差止めを求める理由として,本件財団がシャチを購入するため業者との間で締結した基本協定ないしこれに基づく購入契約は公序良俗に反して無効であり,本件協定の対象となるべき本件財団の負担する債務は存在しないから,被告が本件協定に基づき本件支出をすることは違法であるとし,上記公序良俗違反を基礎づける事由として,動物愛護法その他の法令,条約違反等をるる主張するので,以下順に検討する。

ア 動物愛護法違反について
 一般に,動物虐待の意義について定めた法令上の規定はないが,動物の虐待の防止,動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項について定めた動物愛護法の各規定(特に2条,27条)及び同法の趣旨に照らせば,動物虐待とは,正当な理由がなく,動物を殺し,傷つけ,苦しめる行為,給餌又は給水をやめることにより衰弱させる行為若しくは遺棄する行為等をいうものと解される。

 ところで,原告らは,シャチを狭小なプールや水槽で飼育することにより,シャチ本来の社会性等を奪い,群の文化を学ぶ機会を失わせる旨主張し,それに沿う証拠(甲4ないし7,8の1ないし9,14,15)を提出する。なるほど,シャチにとどまらず自然界で生息又は生育する野生動物を自然界から離して動物園や水族館において飼育することは,当該野生動物の本来の生育環境とは違う環境下で飼育することであり,このような人工的な飼育環境に置くことにより,その野生動物が本来の生育環境の中でのみ習得し得る習性や社会性を身に付けることができず,あるいは人工的な飼育環境に適応するため身体的特徴等について後天的な変化をもたらす場合があり得ることは否定し難い。

 しかしながら,動物園や水族館は,ここを訪れる者が自然界に存在する野生動物をじかに見聞し,あるいはこれに身近に触れることにより,それら動物に対する知識・理解を深めるとともに,生命の尊さやそれらの生命を育んだ自然環境に対する意識を高揚させるという重要な役割を果たしており,人類と動物との共生を考える上でその社会的意義は大きいと考えられる。また,自然界には,現在又は近い将来絶滅のおそれのある野生動物が多く存在することは事実であり,このような野生動物については積極的にその保護・保存を図っていく必要性が高く,自然的・環境的条件によっては,緊急避難的に飼育環境下に当該野生動物を移す場合が適切と考えられる場合もあり得るところ,上記のような動物園や水族館の意義,役割を考えた場合,動物園や水族館が上記のような野生動物の保護・保存のための施設として活用されることも人類と動物の共生のあり方の一つとして是認されて然るべきである。そうすると,動物園や水族館が上記のような意義,役割を果たす目的で野生動物を収容飼育する限り,野生動物を自然界から隔離し,人工的な環境に置くことについて上記正当な理由が存在すると解されるから,これをもって直ちに虐待に該当するとはいえない。

 以上の観点から本件についてみるに,証拠(甲20,21,24,乙4,8,9)によれば,本件財団は水族等の収集,飼育,保管及び展示のみならず,水族等の保護及び保存に関する調査研究をもその目的としていること,本件財団のシャチの入手目的は,本件水族館の第2期事業において,大型海洋哺乳動物の一つであるシャチを同水族館の展示に供するとともに,これを飼育保管し,その保護及び保存のために繁殖研究するものであること,シャチを含む大型海洋哺乳動物を同水族館に展示することを通して愛知県民等に対してこれら動物の種の存在を知らしめ,あるいはこれらにじかに接することによって,人間と自然との関わり方に対する理解を深めてもらうという水族館本来の目的を果たそうとするものであること,本件水族館においては,これまでにもウミガメやペンギンについての繁殖研究がなされ,一定の実績を上げている こと,以上の事実が認められ,これによれば,本件財団によるシャチの入手が動物虐待を目的とした違法不当なものであるということはできない。

この点につき,原告は,本件財団がシャチを入手した場合に収容することが予定されているプールの規模を問題とするところ,我が国においては水族館の水槽等の大きさについて具体的に規定した法令は存在しないが,前記前提事実(2)及び証拠(乙9)によれば,シャチの飼育が予定されている施設は,水量1万3400トン,長さ60メートル,幅30メートル,水深12メートルの規模を有する世界最大級のプールであること,このプールは水族館の飼育施設の規模について規定した米国の動物福祉法(Animal Welfare Act)及び同細則に定める基準を満たしていること(なお,同法の基準によれば,名古屋港水族館のプールには21頭のシャチを収容することが可能である。),以上の事実が認められ,これによれば,上記プールがシャチを飼育する上で不当に狭小であるとは到底いい難い。

次に,原告は,人工的飼育下におけるシャチの寿命や背びれの湾曲を問題とし,これに沿う証拠(甲30)を提出するが,反面,証拠(乙11)によれば,飼育下プールでのシャチについて,国内外の水族館における数例の出産事例が報告されていること,その中には国内において5年以上生存飼育した事例や海外では第2世代による繁殖事例もあることが認められるから,シャチをプールで飼育することが直ちにシャチの寿命や繁殖力に著しい悪影響を与えるとはいえず,また,上記証拠によれば,背びれの曲がりは野生下のシャチにおいても確認されていること,シャチの背びれが曲がる原因について遺伝的原因を指摘する見解が存在することが認められるから,プールにおいて飼育することが原因となってシャチの背びれが曲がることについては,必ずしも科学的に解明されているとまではいえない。

さらに,原告は,捕獲過程でシャチを殺傷する可能性が高いと主張し,これに一部沿った証拠(甲16)を提出するが,前記のとおり,水族館等がその意義,役割を果たすべく,野生動物をその施設に収容飼育することが是認される以上,野生動物を強制力をもって自然界から捕獲することを違法視することはできず,その過程でシャチを傷つける可能性があるとしても(もっとも,仮に捕獲経験が十分でない業者であっても,その価値を保持すべく,注意を払うことが期待できないものではない。),そのことをもって虐待に当たると評価することはできない。

よって,シャチの捕獲を委託し,入手する行為が動物虐待に当たることを前提に,これを目的とする基本協定ないしこれに基づくシャチの購入契約が無効である旨の原告らの前記主張は採用できない。

イ 生物多様性条約違反について

原告らは,ロシア極東海域においてシャチを捕獲入手しようとすることは,同海域における生物の多様性に重大な影響を与えるものであって,生物多様性条約前文及び8条に違反すると主張し,これに沿う証拠(甲14,15)を提出する。

しかしながら,そもそも条約とは国家間において文書の形式により締結される国際的な合意をいう(条約法に関するウィーン条約2条1項(a)参照)ところ,条約上の義務に拘束され,あるいは当該条約を誠実に履行すべき義務を負うのは当該条約を締結した当事国である(同条約26条)から,一私人である本件財団の行為について生物多様性条約違反が直接問題とされる余地はない。

もっとも,締結された条約の趣旨が公序良俗の内容に反映されることはあり得るので,これについて検討する
に,生物多様性条約は,生物の多様性を保全するため,生息域内保全(生態系及び自然の生息地を保全し,並びに存続可能な種の個体群を自然の生息環境において維持し及び回復することをいう。)の措置を行うことを基本としつつ(8条),これを補完するため,可能な限り,生息域外における保全措置を講じることを条約締約国に求めており(9条),その保全策の一つとして,野外での個体群維持が危惧される水準まで減少するなどその生息状況に応じて必要な場合には,将来的に生息地等への再導入を前提として緊急避難的に飼育管理下に移すことを予定している(同条(c)参照)。また,同条約は,条約締約国に生物の多様性の保全及び持続可能な利用を目的とする国家的な戦略若しくは計画を作成することを求めている(6条)ところ,証拠(乙7)及び弁論の全趣旨によれば,我が国は,同規定を受けて,「生物多様性国家戦略(平成7年10月策定,平成14年3月見直し)」を作成していること,その中で飼育栽培下における種の保全を実施する上で,動物園及び水族館の果たす役割が期待されていること,現に動物園等において,トキ,コウノトリ,ツシマヤマネコ等の保護繁殖が試みられていること,以上の事実が認められる。

そうすると,生物多様性条約及びこれに基づく我が国の上記国家戦略は,水族館等が同条約の生息域外の保全措置の担い手になることを期待していると考えられるところ,本件水族館が,その開館当初からこれに沿った活動を行ってきたことは前記前提事実(2)のとおりであり,シャチの飼育についても,その保護及び保存に関する調査研究をも目的としているから,本件財団がロシア極東海域におけるシャチの捕獲を委託し,入手する行為が,生物多様性条約の趣旨に反しているとはいえず,原告らの前記主張は採用できない。


ウ ワシントン条約違反について
 シャチがワシントン条約の付属書Ⅱに記載されていることは当事者間に争いがないが,本件財団の行為について,ワシントン条約違反が直接問題とされる余地がないことは,前記イと同様である。

 そして,ワシントン条約によれば,同付属書Ⅱに挙げられた野生動植物種については,輸出国政府の輸出許可証等を得た上で,商業目的での取引をすることは可能とされており(同条約4条参照),また,国外で捕獲したシャチを輸入することを禁止した国内法も存在しないので,基本協定ないしこれを前提としたシャチの購入契約が違法となることは考え難い。

 この点に関し,原告らは,ロシア極東海域におけるシャチの生態は不明であるにもかかわらず,ロシアから輸出許可証が発行されたのであればそれは違法の可能性が高い旨主張する。しかし,輸出許可証を発行することが違法であるか否かは,基本的にはロシア政府について問題とすべき事柄であり(付属書Ⅱ掲記の種については,付属書Ⅰ掲記の種と異なり,輸入国側の許可証は必要とされていない。),これによって,基本協定等の効力が影響を受けるものでもないから,原告らの上記主張はその前提を欠くものとして採用できない。

エ 種の保存法違反について
 種の保存法は,野生動植物が,生態系の重要な構成要素であるだけでなく,自然環境の重要な一部として人類の豊かな生活に欠かすことのできないものであることにかんがみ,絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより良好な自然環境を保全し,もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とし(1条),希少野生動植物種(4条2項,国内希少野生動植物種,国際希少野生動植物種及び緊急指定種をいう。)及び特定国内希少野生動植物種(4条5項)について政令で定め,あるいは環境大臣において指定した上で,上記目的を達成するために,上記の野生動植物の個体等の取扱い(第2章)や生息地等の保護(第3章)について規制しようとするものであるが,シャチは上記の希少野生動植物種ないし特定国内希少野生動植物種のいずれにも該当しない。したがって,本件財団がシャチの捕獲を委託し,入手する行為が同法に違反する旨の原告らの主張は,その前提において失当というべきである。

 なお,原告らの主張を,シャチは現在のところ種の保存法の対象とされていないが,近い将来絶滅のおそれがあるから,同法の趣旨に照らし,シャチの捕獲等は規制すべきであるとの趣旨に善解するとしても,そのような段階にある野生動植物の種の保存を日本国内においてどのように図っていくかは,当該野生動植物が置かれている状況(現在の個体数,個体数の変化・傾向,生息地及び生育地の状況,個体の生息及び生育の環境)について調査観察するなどして把握した上で,自然的社会的諸条件をも考慮して判断していくべきものであって,少なくとも,このような規制の対象とされていない動植物を捕獲等することが,現時点において直ちに公序良俗に反するとはいえない。

オ 契約目的等の不当について
 原告らは,本件財団のシャチの入手目的は専ら観客集めの見世物目的であり,このような目的でシャチを入手することは違法であると主張する。しかしながら,一般に,水族館においてその飼育する水族を展示することは,その設置目的に照らして当然のことである上,前述のとおり,本件財団のシャチの入手目的は,本件水族館の第2期事業において,大型海洋哺乳動物の一つであるシャチを同水族館の展示に供するとともに,これを飼育保管し,その保護及び保存のために繁殖研究することにあるから,本件財団によるシャチの入手行為が違法視される理由はない。

 また,原告らは,本件財団はシャチをロシアマフィアとつながりのある者から入手しようとしていることは社会的に許されない旨主張するが,同主張に係る事実をもっても直ちにシャチ入手のための契約が違法無効であるとはいえない上,証拠(甲5,8の6,23,乙2)及び弁論の全趣旨によれば,そもそも原告らの上記主張は噂に基づくものにすぎないこと,現に本件財団がロシア極東海域でのシャチの捕獲を委託し,入手することを目的として締結した基本協定は,日本の業者がその相手方となっていること,シャチの捕獲入手に係るロシア国内での手続については上記業者が行うことになっていること,以上の事実が認められ,これによれば,原告らの上記主張を裏付ける客観的証拠は全く存在しないから,同主張も採用できない。

 以上のとおり,本件財団がシャチの捕獲を委託し,これを入手するために業者との間で締結した基本協定ないしこれを前提とする購入契約が公序良俗に違反して無効である旨の原告らの主張は,いずれも採用できない。

(2) 次に,原告らは,本件財団がシャチを購入するため業者との間で締結した契約は,シャチを入手することができない場合でも一定額の代金を支払う内容になっているところ,シャチが入手できないにもかかわらず,本件組合が本件協定に基づきその代金の一部を支払うことは,法2条14項に違反すると主張する。

しかしながら,前記前提事実(4)及び証拠(乙2)並びに弁論の全趣旨によれば,本件財団が平成14年度に業者との間で締結した基本協定においては,業者はシャチの入手に当たって実施計画調査を行い,これが完了したときは遅滞なく調査報告書を提出すること,その実施計画調査については,基本協定とは別に個別の契約を締結すること,シャチの購入に関する契約は,業者がシャチを入手し,本件財団がこれを確認した後に締結すること,同契約に係る金額は,契約履行完了に至るまでの経費を含み,上記の実施計画調査に係る経費は含まれないこと,以上のように定められたこと,本件財団は,平成14年度において,実施計画調査に係る経費として1800万円を負担し,これを受けて,本件組合は,本件協定に基づき,本件財団に対して同額の支出をしたこと,以上の事実が認められる。これによれば,本件財団がシャチを購入するため業者との間で締結した基本協定は,シャチを入手することができない場合でも購入費用の一部を支払うとの内容ではなく,ただ,その前提となる実施計画調査の経費を負担することになっていたにすぎないことが明らかである(ちなみに,現実に行った調査に対してその経費を負担する旨の約定が違法無効となることは,およそ考え難い。)から,原告らの前記主張はその前提を欠くものとして採用できない。

また,原告らは,本件組合は平成14年度のシャチ(4頭を予定)の入手費用として3億5000万円を計上しているが,同費用としてかかる額の支出をすることは過大であるから,本件支出は法2条14項に違反する旨主張するが,本件支出は,前記前提事実(3)のとおり,本件財団からの請求に基づき,毎年度予算の定めるところによりなされるものであり(本件協定2条),その前提として,本件財団が現実にシャチの入手費用を負担している必要があるところ,前記のとおり,本件財団はシャチを入手するに至っておらず,またその入手予定額も何ら定まっていないのであるから,現時点において本件支出の額が過大であるか否かを問題とする余地はないといわざるを得ない。

仮に上記予算計上額のすべてが本件支出に当てられるとしても,シャチの入手に要する費用は,シャチ自体の価格だけでなく,捕獲に要した費用,蓄養費,輸送費等をも総合勘案して決定されるものであり,その価格が過大であるか否かは個々の事案に即して判断されるべきものであるから,原告主張のように和歌山県太地町で捕獲されたシャチの譲渡費用代金が1頭当たり2000万円ないし3000万円であるとしても,それだけでは直ちに上記金額が過大であり,法2条14項に反するものであるとはいえない。

2 予備的主張について
原告らは,前記2(1)と同様の理由により本件協定が無効である旨主張するが,同主張が採用できないことは前記判断と同様である(そもそも本件協定の内容は,前記前提事実(3)のとおり,本件財団が水族を入手し,飼育保管する費用を本件組合が負担することを一般的に約したものにすぎず,これが公序良俗に違反するものでないことは明らかである。)。

3 以上の次第で,原告らの本訴各請求は,いずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。


  名古屋地方裁判所民事第9部
   裁判長裁判官    加  藤  幸  雄
   裁判官 舟  橋  恭  子
   裁判官 富  岡  貴  美